先日の成田は低気圧、台風の影響で強い南西風が卓越してました。
安西さんの過去のブログにもあったと思いますが成田は結構気流が悪い事が多いんです。
空港そのものは風が弱く穏やかでも着陸前強く揺れる事がよくあります。
特に比較的低高度でWind Shearと言って風の強さ、方向の急変があるのが特徴でパイロット泣かせなんです。
成田は南西風が強い時は特にそうなんですが、今回はソコソコやばかった(汗)
中々このラフなコンディションの操縦状況を言葉で伝えるのは難しいんですが…
例えると雨風が強い中を傘さして歩くとき風上に傘の先を向けて傘が壊れないように進む感じでしょうか…
揺れてる状況は飛行機を左右、上下から不意打ちノーガードで殴られて、それでも何度も立ち上がる感じ…
高速道路で走行中風に煽られてハンドル操作に冷やっとした経験とか皆さんあると思いますが、それらを全て合わせた感じです。
伝わるかな?
着陸の準備を全て整えオートパイロットを切った瞬間待ってましたかのように、ボッコボコです。
エアバスの操縦桿(サイドスティック)を右に左に上に下に絶対に滑走路の中心線を外さないで、適正進入角を維持する。そればかり考えてそういう時は操縦してます。
昔小型機で訓練中「こういう時は気合いだ。風と弱い自分に負けるな!」と訳の分からん精神論を語った航空自衛隊出身の教官の恩師の言葉の意味がようやく分かります。
もはや操縦というより、気合いなんです。
気持ちで負けたら絶対に降りれません。
着陸間際、滑走路に進入直前に大きく煽られ「Go Around(着陸やり直し)しようかな?」と一瞬思ったけどなんとか無事に着陸。
着陸後、隣のおじいちゃんキャプテンに
「最後煽られた時、大丈夫でした?」
って聞いたら
「全っ然大丈夫だよ!ナイスランディングだよー、さすが!
俺ならとてもじゃないけど無理だったかも(笑)ありがとう」
ってお言葉頂きました\(^o^)/
まぁお世辞もコミコミですが
着陸してキャプテンから「ありがとう」だなんて言われたの生まれて初めてでビックリしました。
こんな若造副操縦士にそんな事言えるキャプテンにあっぱれでした。