ANZAI, 日記

どーする パイロット不足

さて、昨日のブログではJALさんとANAさんに採用方針の転換を丁寧にお願いするという内容でした。

他にはなんかありますかね??

まずは、海外で飛んでいる日本人パイロットに帰ってきてもらうことでしょうか。中東辺りの高待遇で飛んでいるパイロットは簡単に帰って来てくれないでしょうから、狙い目は帰りたくても帰れない日本人。何故帰れないかというと、多分ATPL(機長の免許)が一因です。

ご存知のように、日本のATPLは敷居が高く、アメリカのように「ちょっとライセンス取ってくる!」みたいな軽いノリでは取得できません。エアラインに所属し、エアラインで訓練を受けて初めて受験資格を得る事ができます。事実上、個人で取得出来るライセンスではないのです。安西さんもアメリカのATPLは持っていますがJCABのものはありません。まぁ確かに、ATPLへの敷居が高い事は安全への担保に繋がると思いますが、もうちょい規制緩和を進めるべきじゃないかとわたしゃ思います。

例えば以前のブログにこのような記事を書きましたが(クリック)、一定の経験が有る人であれば、個人で金出して試験を受けられるような制度がそろそろ必要じゃないかなーと思うっす。そうすると帰ってくる人がいる代わりに、「ちょっと海外に行って経験積んでくるかな」と思う人も増えるでしょう。しかし、開放的な制度は人やお金の流れを生みます。長期的に見れば、そういう制度がある所に人は集まってくるものではないかと思いますし、国際感覚や英語力に長けたパイロットが増える事は日本の航空業界にプラスになるのではないかなぁ。

次に、外国人パイロットの積極的な採用も必要ではないかと思います。ATPLに限らず、一定の経験を持つ人に対してのみCPLの書き換えを現状より容易にすることで、より外国人が日本に職を求めやすい環境を作ってもいいんじゃないかと。過去の記事では「日本国籍を有する者、または永住権を取得している外国人」と述べましたが、そんなケチくさいこと言わずに、経験あるパイロットにはどんどん来てもらうわけです。HARJUさんがおっしゃるように、この国の人口減少が向こう何十年と続いていく事は決定項です。ですからどうしても海外からの労働力に頼らざるを得ない部分はあると思います。

って話になると、安全性は大丈夫なのか?!という疑問が出てきます。例えば、先日ピーチが那覇でGPWSを鳴らしてしまいましたが、機長はアルゼンチン人でした。

しかし、私は外国人パイロットの採用が空の安全を脅かすとは思っていません。「ピーチの機長が日本人ならアレは起こっていなかった、アルゼンチン人だから起こった」と断言できるほど単純な問題ではないと思います。問題はもっと根本的なもので、エア・ピーチの安全文化そのものを探らなければならなければならないはずです。確かに、別の誰かが乗っていたらトラブルは起こらなかった可能性はあります。しかしそれは「たまたま」。

何年か前にANAが背面飛行をした事例がありましたね。もしあの日、機長がトイレに行った瞬間、右席に座っていた副操縦士が当該アルゼンチン人だったら、その事例は起こったでしょうか?

おそらく、起こっていないでしょう。でも、それも「たまたま」。事故を未然に防ぐ為にはその事故に起因するものをもっと深く考察する必要があり、「外国人だから、LCCだから」という単純なくくりで解決出来るものではないと思います。もちろん、一因にはなりえますが。

何人であろうと優秀な人は優秀です。一方、航空先進国から来たアメリカ人でも危なっかしい人は危なっかしいし、日本人も然りです。「日本のエアラインが一番安全」とよく聞きますが、その根拠は何ですか?日本人パイロットもこれまで沢山の事故を起こしています。

ただ、外国では経歴や飛行経験を詐称する例がよくあります。そういう事態は安全を脅かす一因に大いになりえますから、採用や訓練の段階でしっかり振るいにかけ、バックグラウンドチェックも入念に行う必要はあるでしょう。

話がそれましたが、昨日の記事から纏めると
1 JAL、ANAの採用方針の転換
2 ATPL取得に関する規制緩和
3 外国人の積極的採用

以上の3本は、人口が減り行く日本で航空業界を活性化する為に必要な方策ではないかと。3に関しては航空業界に限った話ではないですが、、、

(外国人採用に関しては、日本の文化・治安・政治等々大切かつ重大な問題が多々ありますが、今回は割愛)


2014-06-30 | Posted in ANZAI, 日記10 Comments » 

コメント10件

 Misaking | 2014.06.30 2:52

安西さん、こんばんは〜。

1.JAL・ANA採用
アベノミクスで国民の所得が上がる➡︎LCCは選択されなくなる➡︎JAL・ANA営業利益がっぽり➡︎自社パイの採用数増やす➡︎AQPでCAPT UG早まる➡︎自社パイだけで無問題

2.ATP規制緩和
素晴らしい案だけど、CABが首を縦に振る姿が想像できない。

3.外人採用
ますます日本人コパイの給料さがっちゃうよぉぉぉーーーっ!!!

こんな反対意見はいかがでしょうか。

 安西 | 2014.06.30 17:11

Misaking様
こんにちは!

安西さんはアベノミクスに懐疑的です(; ・`ω・´)。現在の好景感はアベノミクスによるものではなくオリンピックマジックによるものである気がしてなりません。オリンピックの夢が醒めた時、蓋を明けてみたら悪性のインフレが始まっていた、なんてことにならないことを祈っています。
もしアベノミクスが成功したとしてもLCCが選択されなくなる可能性は低いのではないでしょうか。なぜなら、発展途上で豊かになる過程であるはずのASEANではJetStarやAirAsiaが台頭し、5Starであるマレーシア航空とシンガポール航空の経営状態は楽観視出来るものではありません。航空運賃は長期下落トレンドに入っているように思われます。となれば、LCCの需要がなくなることは想像し難いのではないでしょうか。
仮に、日本では大手の一人勝ちになり、大手が拡大路線を取ったとしましょう。拡大の規模にもよりますが、急速な拡大の場合、時間のかかる自社養成では対応できない可能性があります。となると、即戦力として外部からの採用は必要になってくるのではないでしょうか。手始めに、ANAがJALのパイロットを引き抜く、なんてこともあるかもしれません。


その通りだと思います、、、助けて下さい(´;ω;`)ブワッ


日本人が不足している部分を外国人で補うという話ですので、PermanentではなくRenewable Contractという形で採用すれば需要と供給のバランスを大きく崩してしまうことにはならないのではないかと想像しています。外国人を雇った方が人件費を大きく抑えられるのであれば話は別ですが、パイロット不足は日本だけで起こるわけではありません。それなりの競争力をもった価格でなければ人は集まらないでしょうから、あまり心配する必要はないはずです。
とはいえ、大幅な昇給が望めるとも思いませんので、それなりの給料が欲しければ自己研鑽するしかありません。海外に出る事を考えなければならないかもしれませんし、パイロット以外の何かを始める必要があるかもしれません。これから約15年後くらいまでは、パイロットは自分次第である程度欲しい待遇を得られるものと考えています。それができなければ、パイロット不足が一段落した時、生き残れなくなるのではないかという恐怖感もあります(極端な話ですが)。私は、自分の給料は自分で決めたいと思っています( ̄_ ̄)v

ともにがんばりましょう^^

 坂内 | 2014.06.30 21:16

安西様

いつも記事を楽しく読ませて頂いております。私は今年、自社養成2社ともに不採用となりました。今は航大の試験に向けて勉強をしているところです。
先日の安西様の記事にあった、自社養成採用方針の転換という部分について、私なりに思うことがあります。

面接室に呼ばれる前後、控室に受験者が集められ、待機する時間があります。この時間は、航空業界に限らず就活の情報交換の場ですので、いろいろな話が飛び交います。
これは偶然なのか、それともほかの人も同じ状況を経験しているかは分かりませんが、自社養成の面接控室でまわりの受験生が「どうせ内定もらっても断る」「面接練習のために来た」「2次で断る」などと平然とした顔で言うのです。それも一人ではなく、何人もが言います。でも実はこういう人たちは練習として受けに来ているため、本気で目指している人よりも気楽に臨むことができ、結果的に有利になってしまう、という見解も聞いたことがあります。パイロット採用の面接控室なのに、「パイロットなんてなるわけないじゃん」と笑いながら言った受験生を見たときには、何とも言えぬ気持ちになりました。

2015年卒組の場合、自社養成は2月上旬に選考が始まりました。これは他業種、他社の開始が4月開始であることからも、明らかに早い時期に開始していると言えます。パイロット採用は選考フローが長いから仕方のないことですが、事実、自社養成パイロット採用は、「面接練習の土台」「ウェブテストの慣熟」「グループディスカッションの練習」として受験している人が、実際にはかなりいるのが現状です。もちろん、表立ってこうしたことはリサーチされているものではありませんし、全体のうちどれ程の割合なのかはわかりません。

私が不採用になったのは、もちろん自分自身に足りない点、至らない点があったためであり、選考を通過した人を恨むつもりも、不採用にした会社を恨むつもりもありません。むしろその欠点を認識できたのは良かったのかもしれません。ですが、「本気で目指している人が道を絶たれる」というのも、残念ながら現状です。私の仲間も軒並み敗退でした。

「若い人」の力が今後の鍵になるのは自明ですが、「本気で目指す若い人」と「練習台として受ける若い人」がいて、「本気で目指す若い人」に光を当てるような改革を、いち志願者として望みます。

自社養成は、システムとしては優れたものだと思います。だからこそ、大学新卒者の「就職活動」という文脈からは一線を画すべきとも思います。また、3次、4次審査に設定されている航空身体検査を一番初めにもってきて、かつ身体検査はじめ審査ツールの稼働コストなどの負担を受験者に回し、これを受験料として徴収するくらいのことはしても良いと思います。

非常に長文になってしまい、申し訳ありません。

 安西 | 2014.07.02 12:46

坂内様
コメントいただきありがとうございます。
坂内さんご自身も既に認識されていらっしゃると思いますが、不合格になってしまったのは「本気で目指している人」にスポットが当たっていないからではありません。自社の面接はお見合いのようなものですが、そのお見合いで企業に気に入ってもらえなかった、というだけの話です。企業は本気の人にもそうでない人にも平等に面接をします。ですからスポッットは皆に平等に当たっていたと言えます。その上で、合否が淡々と決められた、というだけの話です。

確かに、自社養成は練習台として使われています。もう何年も前ですが私も坂内さんと同じ控え室にいました。同じように数人の受験生と会話をしましたが、うち一人が「パイロットなんてただの運転手」と言い放ちました。私の家系には「運転手」が多く結構頭にきたのを覚えています。
しかしながら、企業側も練習台にされていることはよくわかっています。そしてそれは、実は企業が望んでいる事でもあるはずです。採用には当然ある一定の基準が設けられるでしょうが、その基準の範囲内でバラエティに富んだ人材を採りたいと採用側は考えているのではないでしょうか。幼い頃からパイロットになりたくて仕方がなかった人も欲しいですし、自社養成だけでなく金融や商社等他業界に興味を持っているバランス型の人材も是非採用したいと思っているでしょう。もしかすると、パイロットに熱い想いを抱いている人は航空大から採用すればいいわけで、自社養成ではなるべくそうでない人を採りたいと思っているかもしれません。「バランスがとれている」という事はパイロットになるにあたって大切な要素であることを採用側は当然理解しているはずですから。

「身体検査を先に行う」という具体例を提示していただきましたが、おそらくそれも企業側が行う事はないでしょう。なぜなら、少しでも沢山の若者に会いたいと思っているからです。始めから身体検査でバッサリ切り落とすのは勿体ないと考えているのではないでしょうか。少しでも沢山の若者に会い、なるべく優秀な人間を採りたいというのが企業の本音でしょう。もしかすると「この人は絶対に採りたい」と思った受験生がいたならば、JAL・ANAの身体検査基準を多少下回っていても、国の基準も満たしていれば合格させてしまう、そんなこともあるのかもしれません。

「本気で目指している人が道を絶たれる」というのは、実は当然の事なんだろうと思います。本気で目指している人が、皆野球選手や宇宙飛行士になれるわけではありませんし、パイロットも然りです。現実は厳しいですが、倍率の高い職業を目指すというのはそういうことなんだと思います。

とはいえ、まだ航空大の試験が残されているのですね。一次試験は夏だったと記憶してますので、今が追い込みの時期でしょうか。航空大は正に「本気でなりたい人」が集まる場所だと思います。ぜひ、悔しい想いをエネルギーに換えていい結果を手にして下さい。

心より応援しています。安西

 ジャングル | 2014.07.01 3:59

安西様

はじめまして。いつも楽しくブログを拝見させて頂いております。安西さんの「パイロット不足対応策案」はとても合理的で良い案だと思います。

私も海外組の一人として、日本の規制緩和を願っています。そして外国人パイロットをもっと増やすべきと考えています。世界のトップを行く航空会社のほとんどは外国人パイロットを積極的に採用しています。外国人を使っても5星はもらえるのです。給料が下がるという意見もありましたが、regional airlineの給料に比べたら日本のパイロットは全然恵まれていると思います。

もちろん国によって労働条件や法律そのものも違うので一概には言えませんが、そろそろ島国根性辞めません?って思ってしまいます。が、残念ながら私もJCABが首を縦に振る姿が見えません。。。

安西さんのように日本の航空会社で飛びながらもアメリカでの経験があり、世界の航空事情を正確に把握していらっしゃる方はとても貴重な存在だと思います。日本のパイロットの方達にも是非見習ってもらいたいと切に願います。

がんばってください!

 安西 | 2014.07.02 13:16

ジャングル様
初めまして、コメントいただきありがとうございます。
私も、海外にいる人が日本に帰りたくて仕方がなくなるような航空業界になればいいなと思っています。規制緩和はその第一歩だと思うのですが、実現性は乏しいのかもしれませんね。。
アメリカではちょこっとライセンスだけ取りにいっただけですので、経験があるわけではありません。
これからも出来る範囲でブログを続けていければと思っております!

匿名希望様
>「日本のエアラインが一番安全」とよく聞きますがそんなによく聞きますか。
意外とよく聞きます。旅行好きの金持ちのおばちゃんとか、私の海外進出に反対する親戚のおばちゃんとか、、、


仰る通り、現在は供給過剰のように見えますね。いずれは数社が淘汰されていくのかもしれませんが、どの会社が不要か、何社不要か、それは市場が判断を下す事です。ただ、JAL破綻の際のように、市場の浄化作用が停止されることも十分にあり得るでしょうが。


規制緩和と言ってもパイロットになるための基準を下げようと言っているわけではありません。既に海外のエアラインで活躍し、一定以上の経験を有する日本人や外国人が日本の航空会社でより働きやすくなるような道筋を作りましょうという話です。匿名希望さんがよく使われている外資系航空会社の優秀なパイロットを日本に呼び込む為の緩和ですので、安全性を脅ことはないと思っております。

身の丈にあった経営は大切ですね。そうでなければどこかで歪みが生じ、そのしわ寄せが「安全」を脅かす事になりかねません。

Carol様
いつかはJCABも緩和に踏み切るのかもしれませんが、おそらく10年とか20年とか膨大な時間を要するのではないでしょうか。やっとこ腰を上げた時には時既に遅し、、、とならないことを祈っています。

 匿名希望 | 2014.07.01 6:05

>「日本のエアラインが一番安全」とよく聞きますが

そんなによく聞きますか。私は一度も聞いたことがありませんが。

1 JAL、ANAの採用方針の転換
そもそも日本国内にこれほどの航空会社が必要でしょうか。仕事で海外によく行きますが、日系の航空会社を利用したことは一度もありません。これだけ外資系航空会社があれば特にJAL、ANAがなくてもあまり困らないと思います。国内には必要だと思いますが。

2 ATPL取得に関する規制緩和
規制を緩和してまでパイロットを増やして、安全は大丈夫なんでしょうか。

3 外国人の積極的採用
これは賛成です。

いずれにせよ、身の丈に合った経営をしていただきたいと思います。

 Carol | 2014.07.02 1:13

外国人パイロットにとってはJキャブ(JCAB)の壁が大きいですね。外国のATPLあり、type ratedでも、日本では最初からトレーニングなんですよね。しかもtraining bondがある会社もあって、今持ってるtype ratingにまたお金を払うなんてばかばかしいです。ライセンスの書き換えが簡単になればいいのにと思います。安西さんの言うように、規制緩和ですね。ピーチの件も安西さんに同感です。ご存知のように海外では様々な国のパイロットが母国語でない国を飛んでいます。言葉や文化の違いはありますが、もう少し外国人に優しくしてほしいです。笑 日本人パイロットの海外での活躍、応援しています。

 匿名希望 | 2014.07.02 13:40

>旅行好きの金持ちのおばちゃんとか、私の海外進出に反対する親戚のおばちゃんとか、、、

ご自身の周囲で限られた方のみの意見で「よく聞く」とは、視野狭窄ですね。
世界安全な航空会社ランキング等ご存知ですよね。
このおばちゃんと言われている方が仰る「安全」は「言葉が通じるので安心できる」=「安全」のように見受けられます。

 安西 | 2014.07.02 13:54

匿名希望様
はっはっは、確かにそうですね。最初から「親戚のおばちゃん」と記事に書くべきでした。すみません。

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