ANZAI, 日記

クイズ 解答

さて、マニアックなご回答を沢山いただきましたのでまじめに解説をやりたいと思います。

まず、問題1
A: 飛行機は高い高度を飛んだ方が燃費がよい
B: 飛行機は低い高度を飛んだ方が燃費がよい

答えはAです。皆さんが仰るように高い高度に行くと空気抵抗が少なくなります。
ただ、この問題には「ジェット機の場合」と但し書きするべきでした。プロペラ機だとまた少し違ってくるようです。ATPLの過去問にも「ジェット機の場合」と書いてありました。失礼しました。

続いて、問題2。
A: 飛行機は高速で飛んだ方が燃費がよい
B: 飛行機は低速で飛んだ方が燃費がよい

こちらは答えが割れました。
燃費をよくするためには、Drag(抗力)を減らす必要があります。では、どんな速度で飛べばDragが減るのでしょうか。図をご覧ください。

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飛行機に発生するDragには大きく分けて二つあります。図にあるInduced Drag(誘導抗力)とParasitic Drag(有害抗力)です。それを合わせたものがTotal Dragで、飛行機に発生している全体のDragです。

Stall(失速)に近い低速域ではInduced DragがParasitic Dragより大きく、右側の高速域ではそれが逆転し、それにともなってTotal Dragが変化している様子がわかります。

最もTotal Drag が少ないのはMのポイントであり、この速度をMinimum Drag Speed(Vmd)と呼びます。
つまり、ほぼこの速度で飛行すれば単位燃料消費量あたりの飛行時間は最大(滞空率が最大)となるわけですね。Vmdよりさらに遅い速度域では速度安定性が失われ、Stallに近い速度ですので、基本的にはVmdが実際の運航で使用する最小速度となります。

ということで、答えは問1がA、問2がBです。

ちなみに、「諸条件によって異なる」というコメントをされた方がいらっしゃいました。
はい、まったくもってその通りです。実際の運航では色んな要素が考慮されます。気象条件はその最たるものでしょう。気象どころかパイロットになる前から経済巡航速度という概念をご存知の方がいらっしゃるとは、、脱帽です。しかし、今回の2問はそれらに一切言及しておらず、シンプルに飛行機の一般的な性能を問う問題です。よって、飛行機は高い高度を飛び、低速で飛んだ方が燃費が良い、と簡単に答えればOKです。

パイロットの試験(CPLやATPLの学科問題)はこのような選択式ですので覚えておいてください。

では、以下の問題はどうでしょう。(FAA ATPL問題集よりそのまま抜粋)

Q. Which procedure produces the minimum fuel consumption for a given leg of the cruise flight?

A-Increase speed for a headwind.
B-Increase speed for a tailwind.
C-Increase altitude for a headwind, degrease altitude for a tailwind.

答えはAです。
この問題では、上空の風を考慮した上で単位燃料消費量あたりの飛行距離(航続率)について考えます。よって「向かい風では速度を上げる」が答えです。
先の問題と比べると、より実践的ですね。


2014-08-07 | Posted in ANZAI, 日記No Comments » 
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