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進入・着陸の仕方にも色々ある

2012年6月20日 >


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以前、ビジュアルアプローチという言葉を使いました。
どんなアプローチかというと、文字通り目で滑走路を見ながらアプローチするやり方です。天気がよくて視程が良い時に行われる方法です。
「パイロットが目で滑走路を見て着陸する」なんてあたりまえでしょうが!!
と思われるかもしれませんが、実はそうでもありません。
最後の最後、接地するまで滑走路を見ないような(見たくても霧などで見えない)進入・着陸のやり方もあります。これをCATⅢ(キャットスリー)といいます。
空港ごとに、いろいろなやり方が定められていて、基本的にはその日の天気によっていずれかの進入方式が選択されます。
CATⅢは、霧が多い熊本や釧路で設定されています。対して、羽田は大空港ではありますが、霧で何も見えなくなるようなことは滅多にないため、そういう方法は設定されていません。
よって、もし羽田でそのような気象状態になった場合は、どこか他の空港へダイバートしなければならないのです。
ちなみに、このCATⅢを行うには、パイロットがCATⅢの資格を持っていなければなりません。従って、熊本で霧が発生してCATⅢでないと着陸できないような状態になったとき、その時のパイロットがたまたま新米で、CATⅢの資格を持っていなかったら、残念ながら熊本には着陸できないということになります。
ですから、あらかじめ霧の発生が予想される場合には、CATⅢをもっているパイロットをアサインする、というようなスケジュール変更が行われる事もあるわけです。
このへんのルールは結構複雑なんですねー^^
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