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運のうちわけ

2014年1月13日 >

先日、パイロットになるには60%の努力と40%の運だと書きました。
今日はその40%の内訳を。
まず、40のうち60%を占めるのは航空身体検査だと思います。
特に自社や航空大学の基準はオリジナルの第1種航空身体検査より数段厳しいです。
あらかじめ治すべき所がわかっていれば対策ができる場合がありますが
不可抗力である部分も沢山あるでしょう。
また、自分が自社養成の基準を満たしていたとしても
もっと健康な他の受験者がいれば、不合格になってしまうかもしれません。
せっかくパイロットになっても、交通事故で飛べなくなる事もあるでしょう。
あぁ、事故と言えば飛行機の事故だってありますね。
どんなに優秀なパイロットでもどうにもならないような事故に遭って
命を落としてしまう事だってあります。極めて可能性は低いでしょうが。
次に大きいのは審査でしょうか。大体20%くらいだと思います。
どんなに優秀な人でも、ものすごい厳しい審査官や理不尽な審査官にあたってしまい
落ちてしまうという話はいくらでもあります。
ただ、これは努力でカバー出来る部分が大きいので10%くらいかもしれません。
最後は景気です。これも20%。ヘタすりゃ30%かも。
健康維持に余念がなく、審査でも優秀な成績を修めて来たJALのパイロットが
数年前の破綻時にいきなりブランクスケジュールを渡された、、、
なんてこともきっとあったのではないでしょうか。
また、オイルショックやリーマンショクの時は航空大の就職率が半分以下に落ちました。
リーマンショック前、JEX等が盛んに行っていた自社養成も今はANAとSKYのみです。
たった一年ライセンスを取る時期が違っただけで
その人の今後が大きく変わってしまう事があるわけですね。
そしてやっかいなことに、これらの要素は就職時やパイロットになる時だけでなく
パイロットである以上ずーっとつき合っていかなければならないものなんです。
嗚呼。。。
では、運を味方につけるためにはどうすればいいのか。
そりゃもう、努力しかないわけです。言い換えれば準備です。
例えば、景気のいい時期にいい会社に入っていい給料もらってたとしましょう。
そんなときに、うかれてプラプラしてるとリーマンショック等で
景気が一気に冷え込んだ時に給料ダダ下がりしてどうにもなんない、、、
なんてことになりかねません。
しかし、いい給料もらってそれなりに余裕があるときに
一生懸命勉強したり、海外のライセンスを取ってみたり
就職情報を常に集めていたり、、、なんてことをやっていれば
景気のいい会社や国に華麗に移動できるかもしれません。
それができれば、不運を努力と準備で乗り越えたと言えるのではないでしょうか。
なにもパイロットに限った事ではありません。
ITの進歩によりこれから世界はますますフラットになってきます。
そんななかで以下に自分の価値を高められるか。これですよ、これ。
しかしながら、どんだけ努力しても結局大きな運命の波に飲み込まれることもあります。
人生ですからね。そう簡単にはいきません。
もしそうなってしまったとき
せめて、「俺は全力でやった。こればかりは仕方がない、、、」
と、潔くサッパリと引き際を迎えられるように頑張りたいもんです。



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