とあるブラジル人機長とメキシコ行った時の話。
彼、あと2〜3年でパイロット辞めようとおもってるんだって(またかよw)。なんでも、音楽関係のビジネスをヨーロッパでやってるらしく、それがケッコーうまくいってんだとか。自分のバンドも持ってて、なんかあちこちでライブやっててなかなかいい感じなんだそうで。
ふむふむ、そりゃ大したもんですな。
で、彼の友達がメキシコシティでブラジリアンレストランやってるってんで、連れてってもらったわけよ。でまたこの友人の彼も元パイロット。なんで辞めたのよって聞いたら、実は長期の無給を取ってて、いつでもパイロットとして戻れるんだって。オーナーに誘われてここで期限付きでマネージャーやってるんだと。でも、もうすぐアメリカでの新店舗オープンの予定があって、もしそこでマネージャーのポジションもらえたら、もう完全に会社辞めようと思ってるんだってさ。朝起きて仕事して夜帰って家族でゴハン食べる生活がすげー心地いいみたい。
うーん、日本でそんなん聞いたことないよね。「僕パイロットなんだけど無給使って韓国の日本食レストランでマネージャーやってます」みたいな。パイロットに限らず、他の業界でもあんまないんじゃないかな。知らんけど。
まぁ、ジンセーは色々だから。27,000時間も飛んでまだまだ飛びたいゆーてるおっさんもいれば、こうやって新しい道に進んでく人もいるわけで。9.11やらリーマンショックに振り回されてライセンス携えタフなエクスパットライフ送ってるやつもいれば、戦争で国に帰れなくなったやつもいるし。
中東の会社受験した時、「なんで日本出たいのよ、悪い会社じゃないじゃん、残ればいーじゃん?」て聞かれた記憶あるんだけど、たしか「Broaden my horizonしたいっす」みたいなこと言ったんだよね。まぁ、あんときゃただ当たり障りない無難な答えを選んだだけなんだけど、あの日あの時答えた通り、日本を去って、ブラジル人やらアメリカ人と大西洋越えながら、私のHorizenがBroadenしてくのを感じているわけであります。
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