ども、今月は60時間ちょい飛ぶ予定でしたがコロナウイルスの影響で次々とフライトがキャンセルされとうとう30時間を切ってしまった安西さんです。別の会社の友人は8時間になったそうです。これはヤバイ!こんな調子が長く続けば真っ先に契約社員である安西副操縦士のクビが飛んでしまう!
海外に転職したパイロットは契約社員?
パイロットが契約社員?と思われた方がいらっしゃるかもしれません。実は”外国人パイロット”は殆どが契約社員で働いています。ちょっとリッシュワースのサイトで例を見てみましょう。
コリアンエアーの777は5年のコントラクト。
エヴァ航空の787は3年のコントラクト。
まぁ例をあげればキリがありませんが、航空会社が外国人を募集する際は殆どが契約社員です。僕も日本にいる時は正社員でしたが現在はもれなく契約社員!
日本に転職してきた外人パイロットも契約社員
では、日本で働くアメリカ人とかオーストラリア人のパイロットはどうなのかというと、殆どが契約社員だと思われます。例えばエアジャパン。
エアジャパンとはANAのグループ会社です。例えばANAのサイトでホノルル行きの便を検索すると「エアージャパン運航」という便が出てきます。
これ、使用機材はANAカラーの787なんですけど(実は機体にも小さくAir Japanと書かれている)、パイロットはANA本体の人間ではなくエアジャパンという子会社に所属する外国人パイロットなんです(本体から出向している日本人パイロットもいます)。彼らは以下のように5年契約で働いています。
なぜ契約社員なのか
ではなぜ会社は外国人を契約社員で雇いたいのでしょうか。
まぁ、単純に「簡単にクビ切れるから」でしょうね。現在コロナウイルスが猛威をふるってますが、航空会社はこういったイベントに対する耐性が低く損失を出してしまいがち。その際、人員余剰になってしまわないようとりあえず契約社員からクビにしていくわけです。
正社員は簡単にはクビにはできませんから、外国人パイロットは有事の際の「調整弁」的な役割を担っていると言えるのかもしれません。
ちなみに、僕が中東にいた時は“Permanent”という扱いでした。つまり契約に期限はない訳で正社員的な扱いだったわけです。しかし中東では、地域柄組合活動が許されていません。つまり、会社はやりたい時にいつでも人員整理できると言っていいと思います。
組合は守ってくれないの?
中東では組合はありませんが、組合がある国では守ってくれるんじゃないの?と思われるかもしれません。
うーん、多分守ってくれません。
何故なら、外国人パイロットを整理しなければいけないほどの状況だからです。もし彼らをクビにしなかったら、自国のパイロットもペイカットの憂き目に遭うかもしれません。「外国人パイロットを切ることで自分達の給料や仕事が守られるなら、外国人には犠牲になってもらおう」と考えるのはごく自然なことです。
まとめ
パイロットの海外転職に関する記事をコチラにまとめました。
安西副操縦士のログブック| パイロットパイロットブログ