ども、文章書くのは好きだけど絵心は無い安西副操縦士です。
羽田新ルートの運用がついに始まったようですね。チラっとチャートを拝見しましたが、このアプローチ、冬より夏の方が難しいんです。なぜだかわかります?
なぜ夏場の羽田新ルートは難しいのか
Q. 何故夏の方が難しいのか
A. 気温が高いと真高度(True Altitude)が高くなるから
???
って感じですよね。
そもそも真高度とは
真高度とは、物凄く簡単に言ってしまうと「地面から測った飛行機までの実際の距離」です。厳密にいうと間違った言い方ですが、ここではわかりやすくするためそのように表現します。絵心無き安西副操縦士の図によればこんなカンジ↓
で、この真高度、気温が変化すると誤差がでるんです。どんなふうに誤差が出るのかというと...
真高度は
・気温が上がると、計器で示されている高度より高くなる
・気温が下がると、計器で示されている高度より低くなる
絵心無き以下同文↓
では何故真高度が高いと難しいのか
なぜなら、実際の高度である真高度が高いと、滑走路に進入する際の進入角が急になってしまうからです。絵心以下同文↓
おわかりいただけますでしょうか。目指す地点(滑走路)は同じですが、降下開始地点の高度が高くなっている分、降下角が急になっていますよね。
これが羽田新ルートが夏難しい理由です。通常、進入角度はだいたい3度です。しかし羽田新ルートでは角度が3.45度に設定されています。つまり、通常の角度に比べて急な進入角が、夏はもっと急になるわけです。
一般的に降下角度が急であればあるほど操縦は難しいので、パイロットにとって「夏が勝負!」と言えるわけですね。
どんな進入も気温が高い方が難しくなるのか
いいえ、なりません。
このアプローチは非精密進入と呼ばれるものなんです。だから外気温による真高度の変化の影響を大きく受けます。しかし、ILS(Instrument Landing System)という精密進入ではこの影響を受けなくなります。
詳細は長くなるので省きます。もし気になる方がいらっしゃれば説明しますので仰ってください。
(いないコトを祈りますw)
何故気温が変わると誤差が生じるのか
簡単に言うと、飛行機は空気密度を測ることによって高度を判断するんです。
気温が変わると空気密度って変わるんですね。暑くなると密度は薄くなり、寒くなると密度は濃くなる。だから、飛行機が勘違いしちゃうんです。
お・バ・カ・さ・ん♡
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