ども、9月に入って再び仕事が激減している安西さんです。
さて、先日ピーチの機内でマスク着用を拒否した乗客が、緊急着陸の末降機させられるという事例が発生しましたので、ちょっとソレについて書いてみます。
マスク云々はさておき、機内ではいい子にしよう!
あのですね、マスクが非科学的とか機内は換気されてるからダイジョブだとか色々ご意見あるのはわかるんですけど、ハッキリ言ってどうでもいいです。
大事なことは、とにかく機内ではいい子にしてましょう!ということ。
度が過ぎると拘束されますよ?
こんなふうに↓
皆さん、気をつけましょーねー! pic.twitter.com/9OSmu76adj
— ®️ (@aviator0716) September 8, 2020
会社によっては、拘束されているあいだトイレにすら行かせてもらえません。どんだけ許しを乞うてもムダです。
お水だけはCAさんにストローで飲ませてもらえます。
客席で手足を縛られて糞尿垂れ流しながらCAさんにお水飲ませてもらってる姿、SNSで拡散されたいですか?
まぁ中にはそういうのが好きな変態様もいらっしゃるかもしれませんが、こんな風に拘束されたら空港に到着後警察に引き渡されるんですよ。
日本の警察ならまだいいのかもしれませんが、ロシアあたりに緊急着陸されて現地警察に突き出されたあげく、航空会社から1,000万円以上の損害賠償請求されたいですか?
アナタの主義主張にそこまでの価値あります?
人権侵害じゃないの?
ここまで読まれた方の中には、人前で縛り上げられ糞尿垂れ流しの刑に処せられるなんて人権侵害では?と思われる方がいらっしゃるかもしれません。
確かに、ヒドいですw
地上でこんなことしたら、アムネスティーインターナショナルの皆さんにドヤされることでしょう。
しかし、機内ではオッケーなんです。なぜなら、会社の規定にそう書いてあるから。その会社の規定は各国の航空法に基づき承認されたモノであり、国際航空運送協会のルールに準拠しています。
つまり、圧倒的に合法なんです。
降機させられた後、シベリアの中心で幾ら人権侵害を叫んでも恐らくどうにもなりません。
地上と機上ではルールが違うんです。
安全を守るため、機内ではある意味治外法権が成り立っているといっても過言ではないでしょう。
持論は地上でふりかざそう
とはいえ、やっぱり腹がたつこともありますよね。そんな時は、思い出してほしい方がいらっしゃるんです。
そう、堀江貴文氏です!
結局マスクはクレーマー対策ってことがよくわかった。ほんとJALクソ対応。もっと考えた方がいい。座席に前向いて黙って座ってるだけだったらなんの問題もないのにちょっと息苦しくてずらしただけで鬼の首をとったように注意されてマジ苦痛
— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) August 11, 2020
氏のように、機上では指示に従い、地上にて持論をふりかざせばいいわけです!
機内では大人しくし、のちにSNSでdisるという氏のこの対応はなかなかイケていると思います。
まぁ、一度捕まってますからね。もう拘束とかされたくないでしょ?(笑)
ちなみにピーチでマスクを拒否した男性はツイッターアカウントを開設しています。ご本人なんでしょうね、多分。
MM126便(9月7日釧路ー関空)においてマスク着用拒否により途中降機を強いられた乗客です。ピーチ社との見解の相違、事実誤認に基づく不正確な報道に対して、こちらの見解をご説明すべくアカウントを作成しました。宜しくお願いします
— マスク未着用途中降機乗客 (@mask_passenger) September 8, 2020
ちょっと、見守っていきたいですね。
なぜ機内でのルールはここまで厳格なのか
それはひとえに9.11の影響でしょう。
もちろん、9.11以前にも機内においては機長に大きな権限が与えられていました。しかし、あの事件が現行のテロ対策に大きく影響していることは間違いありません。
あんな悲劇は二度とゴメンなんです。
安全を脅かす人的行為に対する航空業界の断固たる決意をアマくみてはいけません。
Are you ready? Okay. Let's roll.
これは9.11のあの日、ユナイテッド航空93便に搭乗していたTod Beamer氏の録音された最後の言葉です。彼はこの後、ハイジャック犯に立ち向かいました。
航空業界の歴史は血塗られています。事故の犠牲者の血で真っ赤に染め上げられているのです。
今日、我々が今の安全水準で航空機を運航できるのは、過去の事故から学び、それを繰り返すまいと先人が努力してきたからであり、その礎は間違いなく犠牲者のご遺体によって支えられています。
亡くなった方の痛み、ご遺族の無念。
航空業界で働く我々現役の人間が、それらを無駄にするようなことは決してあってはなりません。
もう一度お見せします。
イチミリでも機内の安全を脅かすようなマネをすれば、我々は容赦しません。
安全で楽しいフライトにするためには、お客様のご協力が不可欠です。
何卒、よろしくお願い申し上げます。
明日は奇しくも9月11日ですね。
当記事では「機内ではいい子にしてましょう!」という一般論を書いており、ピーチ便についての個人的見解は述べていません。
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