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未経験でもパイロットに転職できるのか

2020年5月25日 >

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「パイロット 転職」で検索すると、未経験でもパイロットに転職できるかという記事がズラリと出てきますが、読んでみるとケッコー適当なこと書いてあります笑。

まぁ、パイロットじゃない方が転職エージェントへの登録を促す目的で書いていらっしゃるので、そうなってしまうのは仕方無いのですが、ちょっとコッソリ訂正をしておきます。

 

どんな方法がある?【未経験者がパイロットに転職】

まず、未経験の方がパイロットになる方法をあげてみましょう。

ここでいう未経験者とは大学などを卒業し既に社会人やってらっしゃる方です。そういう方がパイロットになるには以下の5つの方法があります。

 

自費取得

自分でライセンスを取得する方法です。数百万程度かかると書いてある記事を見かけましたが、1,500万くらいはかかります。

 

航空大学校に行く

航空大学と聞くと一般大学から直接入る道しかないと思っている方もいらっしゃいますがそんな事はありません。入学時に25歳未満であればオッケーなので、大学出て社会人なりたての方にはチャンスがあります。僕の同期にも社会人経験者がいました。

 

航空大学校令和3年度募集要項( http://www.kouku-dai.ac.jp/ )
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私大のパイロットコースに行く

例えば東海大学などの私大は年齢制限がありませんので、コチラも航空大学同様チャンスがあります。

 

東海大学のHPより
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自衛隊の幹部候補生学校に行く

コチラは自衛隊のパイロットです。同じく年齢制限に引っかかっていなければ受験可能です。航空学生を受けるという道もありますが、年齢制限が23歳なのでちょっと厳しい。

 

 

自衛隊募集HPより
パイロット 転職

 

既卒も受験可能な自社養成に合格する(ピーチ等)

自社養成に入れれば、自分でライセンスを取得する手間が省けますし、就職も決まってるので安心感あります。まぁ、訓練でFailすればクビですし、ピーチの場合借金で数年縛られますが。

 

未経験者がパイロットになるために必要なライセンス

次にライセンスに関するお話です。

 

定期運送用操縦士(ATPL)

ATPLは旅客機のパイロットになるための資格であると説明している記事がいくつかありますが、半分正解半分間違いです。

ATPLは航空会社の機長になるための資格であり、副操縦士になるには不要です。

よって、航空会社に入社する時点でこのライセンスは必要ありません。(海外の場合は別です)

 

事業用操縦士(CPL)

CPLは旅客機のパイロットではなく、使用事業やプライベートジェットパイロットになるためのライセンスであると説明している記事がありますが、コレもちょっと違います。

上述したように、旅客機の副操縦士になるためにはこのライセンスが必須です。

従って、パイロットへの転職を目指す方はコレを必ず取得しなければなりません。

 

自家用操縦士

コレをもっていると転職に有利!

みたいな書き方してる記事を見かけましたが、コレが有利になることはありません。なぜなら、プロのパイロットには不必要な資格だからです。

自家用持ってる人はあんまり採用したくないんだよね

と仰る航空大学の教官にもお目にかかったことがあります笑。

もちろん、自費所得の方がCPLを取る過程で自家用を取った場合は何も問題ないですが。

 

結局パイロットに転職するにはどんなライセンスが要るのか

固定翼のパイロットに必要なライセンスは以下の通りです。航空大、自社養成の方はそれぞれの機関に入って訓練を修了すれば取れますが、自費の方は自分で取らなきゃいけません。

  • 事業用操縦士
  • 多発
  • 計器飛行証明
  • 航空無線通信士

以上が揃ってなければ航空会社から採用されません。

また、これはとても大事なコトなのにどの記事でも触れられてないので念の為書いておきますが、上記ライセンスを海外で取得してもそのライセンスでは日本でパイロットになれません。必ず日本のライセンスに書き換える必要があります

書き換えには訓練や審査が必要です。海外での取得+日本での書き換えで費用はかるーーーく1,000万を超えます。

 

パイロットに転職するには英語力が必須?

英語力に関しても色々なコトが書いてありましたが、コレは正直説明が難しいです笑。

 

国内線のパイロットに英語力は不要

まず、国内線のパイロットには英語力必要ありません。管制官とのやりとりは英語ですが、全て定型文を丸暗記して話します。

いわゆるAviation Englishです。

イレギュラーが発生して定型文でカバーできなくなってしまったら、日本語でオッケー。日本語を使うことは認められています。

 

国際線のパイロットも英語力不要!?

もちろん、国際線を飛んだら海外の管制官とやりとりします。

でも、何も無い通常の運航なら定型文で済んでしまいます。が、ちょっとでもイレギュラー起きたらもうオワリ。普通に英語喋れないとオハナシになりません。

では、国際線飛んでる日本人は英語喋れるのかと聞かれればNOです。喋れない人の方が多い。採用でも英語力がそこまで重視されているようには見えません。

つまり、日本は英語できなくても国際線パイロットになれる聖域なんです。コレは英語苦手だけど国際線飛んでみたいという方に朗報です。

ちなみに国際線を飛ぶには英語能力証明という資格が必要ですが、誰でも取れます。

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パイロットに向いている人

パイロットに向いてるのはマルチタスクができる人。普段から物事を同時に進める練習をしよう。

こんな内容の記事も結構見かけます。

うーん、まぁやってもいいけどあまり関係ない気がします。確かにマルチタスクはマルチタスクですけど、パイロットに必要な能力はパイロットになるための訓練で身につきます。身体検査受かるなら基本誰でもなれますので、そんなに心配いらないかと。

ただ、向いてない性格というのはあるかも。

まぁ僕は機長でもなければ教官でもないけど、Failした人には素直じゃ無い人・言い訳が多い人が多い気がします。

  • 目上の人のアドバイスは聞くけど同級生や後輩からアドバイスされるとカチンとくる
  • 指摘されるとごちゃごちゃ言い訳こねくりまわしたくなる

 

思い当たる方は、マルチタスクよりソチラを今のうちに矯正しておいた方がいいかもしれません〜。

 

 当記事の内容に間違いがあればお知らせください。すぐに確認・修整いたします。

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