風の便りで恩人の訃報が届く。
この人がいなかったら今の自分はないよなって思える人が、まぁ誰にでもいますよね。
あの人のお陰で
あの場所のお陰で
パイロットを目指す仲間に沢山出会ったんですよ。
彼らも今じゃ旅客機のパイロットとして国内外に散らばって
子供が何人もいる奴もいれば独身の奴もいるし
もうすぐ機長昇格を迎える奴もいるわけなんだけど
彼らと僕を巡り会わせてくれた、あのおっさんがもういない。
彼らも、その人の訃報はだいぶ後で人づてに聞かされたんだとか。
頑固の塊みたいな人で
人に迷惑掛けるの嫌うような人だったから
あの人らしいといえばあの人らしい。
"見た目はオッカナイけど愛がある"を地でいくような人でさ。
決め台詞は
"女の手なんか握ったのは後にも先にも嫁一人"。
日本を出る前、挨拶に行ったんだよね。あれから3年も経ってないはず。
そんとき、だいぶ年とったなって思ったのよ。
会話が成り立たないことが何回かあってさ。
なんとなく、もしかするともう会わないかもなってふと思ったのを、ハッキリ覚えてるわけなんだけど。
もう何年前かな。
みんなで銀座に集まって、勉強したり将来の話をしたよね。
時が流れるなぁ。
安西副操縦士のログブック | パイロット ブログ